『「あいうえおキーボード」は使いやすいのか』http://tamago915.justblog.jp/915it/2007/09/post_85a1.html
というトラックバックをいただいた。レスポンスがあって嬉しい。
自称、キーボードデザイナーなどと胡散臭いことを書いてしまったので、少しまじめなことを書いておこうと思う。
まず、『「あいうえおキーボード」は使いやすいのか』で指摘されていることには共感する部分も多い。確かに千円しないで買えるキーボードが存在する2007年の今、2万円弱するキーボードは絶対的に高価だ。だからといって
「112キーボードのフルキー部分を五十音配列にしたものにして、構造はコストを抑えて3000円程度」
であれば解決するかといえば、そういうわけにもいかない。
価格の話は、例えば千円の靴を履くか、数万円の靴を履くか、数十万で木型をとってオーダーするか、人それぞれ。または、製造ロットや需要云々といったことをいえるかもしれないが、この場でそんな議論をするつもりはない。価格は問題の本質ではないからだ。
では、何が問題か。
「ターゲットが見えないこと」
だろうか。確かに「あいうえおキーボード」のターゲットを考えたとき、私ならもっと、、と思わなくもない。(と同時に作った方の気持ちもよくわかってしまう)
問題はキー配列ではない。
あいうえお順で文字を入力するということ。カナ入力で日本語を入力すること。それはキートップに印字された文字が入力されることを期待することに他ならない。
もちろん、「あいうえおキーボード」では「ひらがなモード」キーを押すことで「あ」を打てば「あ」と入力できる。しかし、確実に「あ」と入力出来るかといえば、そうではない。「3」と入力されてしまうこともある。つまり、ローマ字入力になってしまうことがありうる。その場合「ひらがなモード」キーをいくら操作してもカナ入力には戻らない。
キートップに印字された文字と入力される文字の不一致が発生する限り、真に使いやすい50音配列キーボードは登場しない。
読み返すと生意気な感じですね。申し訳ない。作られた方々のご苦労は大変なものだと思います。ただ、「キートップに印字された文字と入力される文字の不一致」という問題はなんとかしたいと思っているのも確かです。「あいうえおキーボード」の登場で、この問題がクローズアップされるようになることを期待しています。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
かねたこうへい on 2007/09/19
はじめまして。私は自称「配列屋」の、相沢かえでという者です。
パソコンでは変わった入力方法( http://jp.youtube.com/watch?v=vicgZ6nIYx0 )を使いつつ、ケータイでは変わった入力方法( http://www.kanshin.com/keyword/1064424 )を設計しました。
このATM風50音キーボードは「ソフトウェアを一切使わずに」かつ「JIS X6002の考え方を使った、濁点と半濁点を後打ちする方法で」50音配列を実現しようとした……らしく、こういった問題が出てくるのは仕方がないのかもしれないですね。
仮にJIS X6002の考えを捨てて「濁音と半濁音を直接(たとえば専用のシフトキーと共に)打つ」ルールで設計していれば、JIS X6002のように濁点文字と半濁点文字を独立して入力する必要はなくなります。そうすれば、カナロックOffのままで「かな入力をするときには、キー入力をキーボード内でJIS X4063準拠のローマ字に変換してから送出する」という方法を取ることができます。
「ひらがな」キーと「英数(または全角半角)」キーがらみの問題はまだ残りますが、すくなくともカナロックがらみの問題は回避できそうです。
#この方法は、(ローマ字入力専用のタイピングゲームを使用するために)姫踊子草というキ
かえで(yfi) on 2007/09/19
おっしゃる通りだと思います。ターゲットとしては[Alt]+[カタカナひらがな ローマ字]キーでカナ入力とローマ字入力を自在に変更できない・しない層ですよね、きっと。「あいうえおキーボード」を使っても私のところへ「キーボードが変なの」という電話が来ると思います。
普段ローマ字入力をする私は、例えば「ひろし」と入力して変換候補を選ぶとき、[スペース]キーを押しすぎてしまい、数字で選ぶことがありますが、「ひらがなモード」での入力時には数字キーがないので(一般的な日本語キーボードでもカナ入力では同じだとは思うのですが)困ってしまいました。テンキーがないというのも作る方にとっては苦渋の選択だったとは思いますが、まあ、USBのテンキーを付ければ良いですし、もしかすると普通のキーボードと併用することが前提なのかもしれません。
IMEではソフトウェアからの[半角/全角 漢字]キーのON/OFF制御を受け付けています。WEBでの会員登録時に、いつの間にか日本語と英語が変わってしまったりと。そして、[半角/全角 漢字]キーのON/OFF状態をキーボードから知ることは出来ません。キーボードから知ることが出来るのは、[Numlock][Scrolllock][CapsLock]の状態だけです。そして
かねたこうへい on 2007/09/17
ご紹介ありがとうございます。
トラックバックを受け付けていただいたことで、こちらのブログのアクセスも急増していました。感謝いたします。
私のブログでは価格の話も絡めましたが、本質的なところとしての「ターゲットが見えない」というのには同感です。
この製品を見たときに、ターゲットとして想定したのは、キー入力に慣れていないPC初心者だろうと考えました。だとすると、高級な内部機構は必須ではないし、逆にテンキーを取ってしまったのはまずかったのではないか、と感じました。
キートップの表示どおりに入力されないというのは、ハードウェア (キーボード) とソフトウェア (かな漢字変換・IME) の連携の問題に収束しそうです。ハード側が「ひらがなモード」に設定したら、IME側に信号を送り、ひらがな入力モードに変更するような設定ができればよいのだと思います。
たまご915 on 2007/09/17
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相沢かえで様
コメントありがとうございます。かねたこうへいといいます。
配列屋という肩書きいいですね。
私はまだ自分用の配列を考えるには至っていないのですが、限られた物理的なキーへ文字を当てはめていく楽しさはなんとも言えないですよね。
「雑記/えもじならべあそび(相沢かえでの無変換な日記)」
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/
お知らせいただき、ありがとうございました。規格の話題など、とても興味のある内容です。参考にさせていただきます。
「ローマ字に変換してから送出する」というアイディアはなるほどと思いました。今度、一台作ってみます。
私自身規格に詳しいわけではないのですが、規格をアップデートすることが根本的な解決法だというのは実感しています。「なんでこんな仕様になっているのだろう?」と考えていくと、英語前提の設計をなんとか日本語が使えるようにしてきた苦悩を垣間見ることが多いですから。
ただ、根本的に変な方向へアップデートされないためにも話題の盛り上がりは重要ですから「あいうえおキーボード」の発売は喜ばしい限りです。皆さんのコメントをいただけただけでも、私にとっては買った甲斐があります。