アメリカバージニア工科大学の乱射事件は33人の犠牲者がでた。こういう事件が起きると、いつも出てくる言葉は、アメリカライフル協会のスローガンだ。
「人を殺すのは人であって銃ではない」
僕は「正戦の論理とスターウォーズ」で語ったことがある。
家族を守るために武器を持って戦うというのは、理解できるだろう。その論理を拡大していけば「正戦の論理」となる。自分の国を脅かす国家がある。その国家を排除すれば自分たちの平和を築くことができるのだという論理である。ただ、相手の国には相当の兵器があるとすれば、対抗上自分の国の軍備も増強しなければいけない。そうでなければわざわざ死にに行くようなものであるからだ。
アメリカでは自分の家族を守るためには武器を持つ権利があると説く。これは、家族一つ一つが国家のようなものである。隣の家の武器が強力になれば対抗上、より強力な武器を持たなければならない。「アナキンが抱えている問題の根源は、執着を捨てられないことにある。諦めをつけ、自分の人生を歩むべきことに気がつかない」というのは、武器への強力な信仰である。武器に執着し続けなければ自分の不安を抑えることはできないのだ。まさに武器(核兵器)という名の悪魔と契約を結んでいるようなものである。彼らには、相手の持っている武器にしか目が行かない。ましてその武器を持っているのが人間であることも、その人間に愛する家族がいることも気がつかないのだ。
この銃を所持する権利はアメリカ合衆国憲法修正第二条にこう定められている。
「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であり、国民が武器を所有し携帯する権利は、損なうことができない」と規定したアメリカ合衆国憲法修正第二条が、アメリカにおける銃規制反対の根拠になっている。この権利を、民兵を組織するための州の権利であって個人に銃所持を認めたものではないとしてみる集団的権利説と、個人が武装する権利であるとしてみる個人的権利説があり、連邦レベルでの立法・判例は集団的権利説を採っているのに対し、州の判例では個人説を採っている場合が多い。(Wikipedia銃規制)
しかし、この論理を延長していくと、国は個人の命を守ることはできない。なぜなら、相手の銃の所持を認めているからだ。つまり、自分の命は自分で守れといってるに過ぎない。それでは不安にかられた住民は武装せざるを得ない。しかもこの論理が国連の核削減問題に響いている。僕は、「正戦の論理の限界」でこう書いた。
この論理が全世界に拡大しているのが、国連の安全保障理事会である。核兵器を保持した国は決して減らそうとはしない。世界の安全が保たれていないからだ。アメリカという一番強大な武器を持つ国の顔色を見ながら進められていくことになる。アメリカに都合の悪い国は悪の枢軸国と名指しされる。当然、名指しされる国にとっても正戦の論理は働く。悪国と名指しされた国はどう考えるだろう。アメリカは神の選んだ国ではないのだから、アメリカと戦って勝たなければ自分たちの汚名をそそぐことはできない。しゃにむにアメリカを叩こうとする。アメリカが直接叩けなければ彼らの属国を手始めに。アメリカとて国の威信をかけて戦うことになる。そうして戦火は拡大していく。
乱射事件の続発を防ぐためには、銃の規制は欠かせない。だが、アメリカの現在の立場では、それはまず不可能である。
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