最終更新時刻:2008年9月8日(月) 7時00分

-

本当に次世代DVD、華開くのか

公開日時:
2007/07/22 14:09
著者:
mugendai

 もちろん、次世代DVDとはブルーレイとHD DVDのことである。もう発売しているではないかというが、DVDに比べるとそれほど売れているわけではない。前項「コピーワンス問題からほの見える日米のテレビと映画の立場で論じた問題もようやく結論が出たようだが、この決定がまたレコーダーの買い控えを生むに違いない。家電業界の主張するファームウェアのみですまないからだ。そうなると、別にHDDレコーダーさえあればいいやということになりかねない。数年もかけてのらりくらりとこの問題を取り扱っているようすをみていると、まるで北朝鮮の六カ国協議のようだ。現在、拉致問題ばかり取り上げる日本に対して、他の五カ国が日本外しの方向に向かっているように見えるが、この次世代DVD問題も日本外しに向かっている可能性もあるのではないか。なぜなら、次世代DVDを製造販売している企業が日本に偏っているからだ。

 

 小寺信良氏のコラム「次世代DVDが起爆しない5つの理由にもその原因も論じられているが、僕は別の面から考えていきたいと思う。

 僕は「ホームサーバーの意味するものでこんなことを書いた。

 映画会社にとって、ディスクというものほど厄介なものはない。確かに映画製作のためには大変大きな収入源だ。デジタルハイビジョン画質でコピーされてしまえばその収入源はふいになる。たくさん売りたいけれど、コピーは怖い。あれほどHDMI規格に時間をかけてコピーされないように設定した。しかし、所詮は誰かがコピーするだろう。コピーされないためにはディスクを視聴者に渡されなければよい。それで見るたびに金をとるシステムがあればよい。そうそれがインターネットを使ったホームサーバーシステムである。

 

 

 もう始まっているビデオオンデマンド

GYAO NEXT フレッツ光 OCN オンデマンドTV 4ch MEDIA エンタミレル YAHOO BBTV  J:COMテレビ

 ここに掲げたのは、パソコン画面ではなくテレビにセットトップボックスを通して視聴するもので、ほとんどが有料である。

 

 一方、アメリカの対応はどうか。

ディズニーの決断でVOD戦線に大変革の予感によれば、

 Walt Disneyは先頃、テレビ番組を無償でダウンロードできるようにするという大胆な計画を発表したが、この動きがケーブル会社や衛星放送プロバイダーにとって厄介な問題を突きつける可能性がある。

(中略)

 たとえば、Warner Bros.ではAOLと手を組み、「Growing Pains」や「Welcome Back Kotter」のような昔のお笑いホームドラマを配信した。3月にはCBSが、NCAAのバスケットボールトーナメントの試合をネットでストリーミング中継した。また、昨年11月にはNBCが、「Nightly News」という番組をテレビで放映した後、ウェブで無料で公開し始めた。さらに、MTVComedy Central11月に「MotherLoad」といウェブサイトを立ち上げ、既存の番組のビデオクリップを提供したり、このサイトだけで観られる新しい番組を流し始めた。

 一方、マイクロソフトやアップルもそのコンテンツをダウンロードさせるためのセットトップボックスを作り始めている。Xbox360やアップルテレビはHDD容量は少ないものの、セットトップボックスになりうることには変わりは無い。

 このように、視聴者に直接映像を届けることが可能になると、ブルーレイとHD DVDの存在価値はどうなるか。DVDレコーダーやプレイヤーを作っているのはソニーや、松下、東芝など日本企業がメインだ。製造には莫大なロイヤリティーがメーカーに手に入る。コンテンツホルダーとしては、ソフトを大量に売りたいが、売れ残りは増やしたくない。しかも、売れる時期は広告を出す時期の数週間でその後、急速に売れ行きが落ちる。映像や音楽コンテンツは、どれだけヒットするかを見極めることは大変難しい。また、広告に金をかければ売れるものでもない。そうなると、むしろ、ディスクを製造するよりダウンロード販売したほうが、製造コストは廉価で済むし、わずか1本でも可能だ。こうなると、コンテンツホルダーはダウンロード販売をメインに考えていくのではないか。そのことは、つまり日本の家電産業外しである。ユニバーサルが未だに、ブルーレイに入らずにHD DVDに固執する理由、実は日本外しのためではないだろうか。

 

 日本には資源が無い。多くの業種が「ものづくり」である。コストカットのために製造現場を途上国に移行してきた。その途上国自身も力をつけてきて、日本に「ものづくり」大国の立場を脅かしつつある。それなら、コンテンツはどうか。確かに、アニメやゲームなど、お子様向けのコンテンツはかなりのものがある。しかし、これらも製造現場は途上国のものになりつつある。インターネットには国境が無い。これからはインターネット上でコンテンツを輸出入する時代が来るのだろうか。

 

 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

8

>アメリカから見れば『お子様向け』であっても、日本から見れば『万人向け』それでいいではありませんか。
この言葉でなんとなく話を丸めようとしていますが、偏見であることは否めないと思います。

  radio on 2007/09/01

7

オリジーさん、コメントありがとうございます。もちろん、これは僕の妄想だと思いますが、ブルーレイ対HD DVDがにらみ合っているうちに、ビデオオンデマンドが一般的になり、よほどのコレクターだけがパッケージソフトを手に入れるなんてことになると、日本の家電には何の利益にもならず、アメリカの映画会社のみがダウンロードで収益を得るという可能性があります。ユニバーサルは、そのオンデマンド主流になるまで綱を引っ張り合っている必要があります。その間、着々とXboxやアップルテレビでビデオオンデマンドの足場を固めるということです。いわばアメリカ側の戦略というわけです。次世代DVDが盛り上がらない理由をこんな風に考えるのも面白いと思って書いてみました。

  mugendai on 2007/07/24

6

子供のころはオーディオファン、長じてはAVファンになりました。画と音が私の一生を通じた趣味であります。次世代ディスクも、その登場前からわくわくしていました。ただ、次々世代のディスクの開発はとっくに始まっており、次世代ディスクが盛り上がる前に、次々世代ディスクの販売がありそうな気配もあります。スーパーRENTZとかホログラムとかです。そうなると次世代ディスクを購入した人はバカをみるかも。また買いなおしですものね。で、わたしはDVDのまま、様子見を決め込んでいます。パッケージソフトは無くならないと思います。理由は音質です。放送などでは帯域が不足して音にしわ寄せがきます。高価なディスクに録画するより、あと数千円出して音質にも満足できるパッケージを買う人が必ずいると思います。で、最初のMugendaiさんの記事のユニバーサルがブルーレイに行かないのは日本はずしだとありましたが、そう判断した理由は何でしょうか?もう少し私にもわかるように補足していただければと思います。読解力が足りないのが恥ずかしいのですが、よろしくお願いします。

  オリジー on 2007/07/23

5

>コストは省けますが、その分人々の職を奪っていく

非常に良いことです。むしろ、政府はこの流れを積極的に進めねばなりません。

少子化は待ったなしの社会現象です。労働人口は減り続けます。ならば、排除できるところからは労働者を徹底的に排除し、その労働者が別の仕事に就けるようにすべきです。
さもなければ、労働力不足が、国際競争力の致命的な低下を招きかねません。

  無人化大歓迎 on 2007/07/23

4

ルート134さん、コメントありがとうございます。これはまたアナログからデジタルへの変化でもあります。気になるのは、こうやってひとつの過程を省略するたびに間に立つ人間の姿が消えていくことです。たとえば、ダウンロード販売にはSHOPの店員は必要ありません。コストは省けますが、その分人々の職を奪っていく、町の商店街が寂れてゆく、そんな文化に危惧を抱いています。もちろん、その分新たな職を見出せればいいのですが。

  mugendai on 2007/07/22

3

よく、デジタルデバイドといわれますが、その上限はどこかと考えますと、僕は鉄腕アトム世代ではないかと考えます。鉄腕アトムを読んだ世代が現在、ロボット研究をしているのです。手塚治虫は、漫画は子供のものと言われたのに対して、なにくそと思い、あらゆる年代で読まれる漫画を作るために戦ったのです。アメリカでは漫画は子供の読むものといわれていましたが、今ではアメリカの映画のかなりのストーリーがアメリカンコミックを原作としているのは否定できない事実です。アニメやゲームはその漫画を親に持つ子供世代のメディアということでしょう。わざわざアニメやゲームを『お子様向け』としたのは皮肉でも何でもありません。漫画やアニメ、ゲームの世界の主人公が年を取らず永久に子供たちのためにあるからです。そしてそのままあらゆる年代で通用する文化となればいいのです。アメリカから見れば『お子様向け』であっても、日本から見れば『万人向け』それでいいではありませんか。

  mugendai on 2007/07/22

2

 日本はずしの部分を除いて、時代の変化とパッケージの話が、本の話みたいにも読めますね。

//

  ルート134 on 2007/07/22

1

記事を興味深く読ませていただきました。
私は人に所有欲がある限りパッケージメディアが無くなることはないと思いますが、これからはダウンロード販売も増えていくとは思います。
ただ読んでいて一点だけ気になったのは、日本のコンテンツに関する記述で、「アニメやゲームなど、お子様向けのコンテンツはかなりのものがある」とありますが、この記述では「アニメーションやゲームなどはお子様向けのコンテンツ」と受けられかねない危険性があるように感じました。
すでに日本のアニメーションなどは優れた芸術作品として世界中のクリエーターや映像ファンに多大な影響をあたえています。
すべての作品がそうではありませんが、アニメーションやゲームなどのコンテンツをひとくくりに「お子様向け」と見なすのは誤解や偏見を助長するのではないかとも思います。
表現方法が実写であろうとアニメーションであろうとそれはあくまでも制作方法の違いであり、映像作品としての質とは関係が無いものだと思います。
アニメ・映画ファンとしてどうしてもその点が気になりましたのでコメントさせていただきました。

  読者 on 2007/07/22

ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。

このブログについて

ブロガープロフィール

アーカイブ

2008年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

カテゴリ

ブログネットワーク

アルファブロガー

ケータイ時代のスタンダードiPhonista Nightの事後報告
ケータイ時代のスタンダード
クロサカタツヤの情報通信インサイト北京オリンピック
クロサカタツヤの情報通信インサイト
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance新サービスをローンチしました
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
渡辺聡・情報化社会の航海図クラウド時代の企業コンピューティング
渡辺聡・情報化社会の航海図
鈴木健の天命反転生活日記パラレルワールドとしての電脳コイル
鈴木健の天命反転生活日記

読者ブロガー

オープンソースJoomla CMSJoomlaでバイリンガルサイト
オープンソースJoomla CMS
ベンチャー企業にとって最適なプロジェクト管理とは?あるITマネージャの挑戦
ベンチャー企業にとって最適なプロジェクト管理とは?
オープンソースCMS GeeklogがWEBの標準になる日Geeklog1.5でOpenID対応へ
オープンソースCMS GeeklogがWEBの標準になる日
夢幻∞大のドリーミングメディアもっとパラリンピックに目を向けよう
夢幻∞大のドリーミングメディア
電子政府パブリックコメントの抜粋経営者が無断ビデオ撮影するとき
電子政府パブリックコメントの抜粋
特別支援教育におけるICTSNS開発で携帯は??
特別支援教育におけるICT

企画特集

KDDI「SaaSソリューション」KDDI「SaaSソリューション」
〜社内コミュニケーションの課題への解決策とは〜
サーバ仮想化・グリーン化の利点を最大化!サーバ仮想化・グリーン化の利点を最大化!
多機能・高価値なNetAppストレージの秘密とは

新着コメント

→linux64jpさん コメントありがとうございます。技術的には可能です。一部例......
イーモバに冷たい各社
投稿者:isidai
対応サイトの少なさ と書かれていますが、 イー・モバイルは、何か特殊なプロ......
イーモバに冷たい各社
投稿者:linux64jp
正直な事を申し上げれば、『パラリンピック』自体が健常者の驕りではないかと......
もっとパラリンピックに目を向けよう
投稿者:korly
geeklog インストールがちょっと面倒ですね。ディレクトリ構造とかかえたりす......
Geeklog1.5でOpenID対応へ
投稿者:tadashi.nagao
私たちは・・・と個人的意見を、あたかもみんながそう考えてるかのように発言......
もっとパラリンピックに目を向けよう
投稿者:shiva

ブログネットワークとは?

CNET Japan ブログネットワークは、元はCNET Japanの一読者であった読者ブロガーと、編集部の依頼により執筆されているアルファブロガーたちが、ブログを通じてオンタイムに批評や意見を発信する場である「オピニオンプレイス」、また、オピニオンを交換するブロガーたちが集うソサエティです。

広い視野と鋭い目を持ったブロガーたちが、今日のIT業界や製品に対するビジョンや見解について日々熱く語っています。

あなたもブログを書いてみませんか?

CNET Japanやその他サイトが提供するITニュースやコンテンツへの意見や分析、 ビジネスやテクノロジーに対するビジョンや見解について語っていただける方を 募集しています。ご応募はこちらから

ブログの投稿・管理

ブログの投稿はこちらから(※ブロガー専用)

ブログアワード2007開催決定!

今年最も活躍したブロガーを表彰します。詳細はこちらから

αマークって?

これは、CNET Japan 編集部の依頼に基づいて執筆されているCNET Japan アルファブロガーによるブログの印です。

Good!って?

CNET Japan ブログネットワーク内で拍手の代わりに使用する機能です。ブログを読んで、感激した・役に立ったなど、うれしいと思ったときにクリックしてください。多くGood!を獲得した記事は、より多くの人に読まれるように表示されます。

レビュー

今週の新製品総チェック:ノート、デスクトップ、UMPCまでPC秋モデルが続々
富士通、NEC、東芝などのPCメーカーから続々と新製品が登場した。ノートPC、デスクトップPCに加え、注目の
今週の新製品総チェック:薄さ13.9mmのサイバーショット登場!NEC「LaVie」はデザインモデルが
最薄部13.9mmのソニー「サイバーショット」、ニコンのGPS内蔵デジカメ「COOLPIX」など、機能性、デザイン性